2024年に開校したKADOKAWAマンガアカデミー。
今回は大阪校の高等部一期生で、マンガ編集部の担当付きになっているKさんをご紹介します!
中学を卒業後当スクールへ入学されたKさん。
入学から担当付きになるまでの様々なエピソードを聞いてみました!
ーKADOKAWAマンガアカデミーに入学を決めたポイントは?
元々中学生の頃から、マンガ家になりたいと思っていました。
しかしマンガを描いたことが一度もなく、ずっとイラストばかり描いていたので早くマンガを学びたいと考えていました。
進路先を探す中で、KADOKAWAマンガアカデミーはマンガを軸に学べる環境だと知り、入学を決めました。
ー普通科高校を選ばなかったのはなぜですか?
和歌山県に住んでいるのですが、県内にマンガや絵の勉強ができる高校があまり無かったことが大きな理由です。
唯一見つけた絵の勉強が出来る高校も、美術や絵画系に特化した勉強内容だったので、自分が描きたい絵とは違うと感じました。
また普通科高校に進学した場合、中学校に通うのが苦痛な日があったので、同じことの繰り返しになってしまうのが嫌だなという心配もありました。
ここのスクールでは、少人数制で自分のペースで勉強できることがとても良いなと思ったので、母と相談して入学を決めました。
ー実際に入学してみてどうでしたか?
良いなと思ったところが、先生やクラスのみんなが優しくて協力的だったことです。
難しい課題が続いたときは大変だけど、やりたいことに集中しているのが自分の理想の姿だったので、中学生の時は息苦しさも感じていたけど、今はとても楽しく過ごせています。
4月はオリエンテーションの授業からスタートしますが、その時になんとクラスの半分以上とLINE交換したのが嬉しかったです。
空き時間にも自分の絵を「うまいね!」と褒めてもらえるので、中学生の時にはなかった交流ができて楽しいです。
また先生が授業外でも、自分の作品に親身になってアドバイスをしてくれるので、まるで編集部の担当さんかな?と思うぐらい献身的に協力してくれるため、作品作りがとても捗ります。
ー好きな授業はなんですか?
一つ目はデッサンの授業です。
小学校や中学校で全くやってこなかったデッサンを、のびのびと出来ているので楽しいです。
KADOKAWAマンガアカデミーではデジタルの授業がメインですが、個人的にはアナログで作成するのが好きなので、デジタルで作画してもアナログっぽいタッチで塗っていたりします。
デッサンの授業で手のふちを真っ黒にしながら濃淡を出せた時や、遠くから作品を見た時にうまく描けた時が好きです。
二つ目はストーリー基礎の授業です。
個人的にはバトル系のマンガが好きですが、この授業ではラブコメ・ホラー・ギャグなどいろんなジャンルのストーリー制作を実践できます。自分の好みとは違うジャンルのストーリーを作れるので、とても勉強になっています。
また先生が「1ページでも何ページでも良いから、ネームを描いてみて」と言われて描いてみるのですが、多いときは頑張って6~7ページほど描くようにしています。
ー手塚賞に応募する事になった経緯を教えてください
スクール内で定期的に審査会といって、数か月間の勉強の中でどんな成長が出来たかをクラス内で発表する機会があります。
7月の審査会の時に、先生から「手塚賞に応募してみたら?」と声をかけてもらいました。
軽い気持ちで応募に向けてマンガを描き始めたものの、実際はとても大変でした。
マンガのコマ割りやクリップスタジオのソフトの使い方も100%理解しているわけではなかったので、ネームの描き方や原稿用紙の使い方すら分からないまま走り出していました。
手塚賞は31ページという規定があり、1ページ多くても少なくてもダメなのですが、締め切り2週間前になってもネームが完成できず焦る気持ちでなんとか提出期日ギリギリに仕上がりましたが、完成するまでは「本当に出来上がるのか」と不安な気持ちもありました。
でも、受賞できるのは夢のまた夢だから、とにかく諦めずマンガ作品を描き上げよう!!と思い、どうしたら編集部の方にページをめくってもらえるかずっと考えながら作品を作っていました。
授業では学んでいませんでしたが、自分の好きなマンガ作品を改めて見返した時に、「めくり」という作法が使われていることがわかり、とにかくこの作法を盛り込んで制作したところ、先生から「悪くないね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。めくりを入れていることにも触れてもらえたので、工夫してみて良かったと思っています。
実際描き上げてみると「へたくそだな」と思いましたが、自分なりにキャラクターの表情が伝わるように描けたのは良かったと思っています。
ー担当付きの声をかけてもらった時、どんな気持ちでしたか?
「嘘やろ!?」と思いました。
応募してから「結果の連絡来てないかな」と淡い期待を抱きながら毎日メールボックスを見ていました。
ある日編集部からのメールが来ている事に気づき、恐る恐る文面を見ていく中で「担当」という言葉は一つも出てこなかったので、応募に対するお礼メールだと最初は思いました。
しかしよく見ると、メールの最後の方に「今後作品を見てほしい場合はご連絡ください」とあったので、これってどういう事だろうと思いました。
同じタイミングでクラスメイトの子が担当付きになっていたので、もしこのメールが担当付きの内容じゃなかったら恥ずかしすぎると思い、先生にも母にも聞けませんでした。
次の作品に関して先生へ相談したときについでにメールのことを質問してみたら、「それって担当付きってことだよ」と教えてもらい初めて確信できました。
自分のへたくそなマンガにも、いいところがあったんだなと自信に繋がっています。
これから担当さんとやりとりが始まっていくので、積極的に相談したいと思っています。
ー今回のマンガ制作で、次に活かしたいと思っていることはありますか?
手塚賞に出したマンガは描きこみがほとんどなく、線の強弱も弱かったので読みごたえが無いと感じています。
なので、次の作品では力強く描きこんで、セリフ無しでも読んでもらう人に伝わるようなストーリーの運び方が出来たらいいなと思っています。
ー最後に来年の抱負はありますか?
新人賞に受賞したいです!!
次世代バトルマンガ賞というのがあり、これに応募したいので毎日ネームを描いている日々ですが、全然進まないので悩んでいます。
とにかく自分の作品を応募しよう、という気持ちで描き上げたいと思っています。
取材中に見せていただいたKさんのイラストを一部ご紹介
マンガやイラストを描くのが楽しくてしょうがない!という雰囲気が終始伝わってくるインタビューでした。
自分の好きなことに集中できるというのは、技術を身に着けるだけではなくいろんな考え方や試行錯誤する姿勢も身に付いていきますよね。
Kさんの新作を楽しみにしています!