24.06.12 24.06.27 更新

三坂泰二さんによるライトノベルの業界講話・創作論の座談会を実施!

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KADOKAWAマンガアカデミーは5月27日(月)、三坂泰二さんをお招きし、東京校、大阪校の在校生を対象に座談会を実施しました。
三坂さんは本学初登壇。ライトノベルの業界講話・創作論についてお話をしていただきました。

ライトノベル作家を目指す動機について質問

三坂さんはあいさつの後に、「緊張しますね」と言いながらも笑顔。
三坂さんは株式会社リクルートに入社し、
『エイビーロード』『ゼクシィ』などの情報誌の製作を担当。漫画が好きであったことから株式会社メディアファクトリーに転職。
その後、KADOKAWAにて長年に渡って漫画やライトノベルの編集に携わってこられました。

「業界講和と創作論の座談会というテーマで、質疑応答を行いながら話したいと思います」

そう切り出した三坂さんが最初に投げかけたのが、「皆さんがライトノベル作家を目指す動機は何ですか?」という質問でした。
緊張から少し答えづらそうな様子を見せている学生たちに対して、「笑わないから」と三坂さん。
学生が回答すると、「素晴らしいですね」「いいじゃないですか」と笑顔で誉めてくれました!



続いての質問はライトノベルの定義。これに対しても学生から様々な意見が挙がりました。
三坂さんは、回答の一つ一つに丁寧に耳を傾け、誉め言葉を投げかけつつ、
「ライトノベルは自由で懐が深い。活躍の場は広く、他の文学ジャンルに応用できます」
と、ライトノベルの魅力についてまとめました。

ライトノベルの歴史を知る重要性について

続いてのテーマは、「ライトノベルの歴史」です。
1960年代に誕生したジュブナイル小説から始まり、現代に至るまでの変遷を、社会背景を交えながらまとめました。三坂さんはライトノベルの歴史を学ぶ理由を次のように述べました。



「これから作品を書く際に、歴史と過去の流行を知っておくと、ブームの周期を予想でき、製作に生かせます。過去の名作やヒット作を読んでおくといいでしょう。
それらがライトノベルの源流で、そこから支流が派生し、現在に至ります。一流のクリエイターは過去の作品を消化し、血肉にしています。
一般文芸において、明治時代の作品が現代でも読まれていますから、同様に昔のライトノベルも読んでほしいですね」

切っても切れないお金の話も

三坂さん曰く「物書きになるということは、その業界に就職するようなもの」。
ライトノベル業界の経済事情についても、具体的な数字を挙げながら話をしました。


「日本のアニメは世界的に人気で、政府もコンテンツ産業の支援を強化しています。その日本のアニメの1/3はライトノベルが原作。ライトノベルの発行部数は減っていますが、メディアミックスで印税以外の収入を得らえる可能性があります」

この話に明るい未来と希望を抱いた学生も多かったはずです。

ライトノベル作家になるために必要な心構え

「ライトノベルを目指すあなたへ」と銘打って三坂さんが話を始めると、学生は耳を傾けながら、熱心にノートを取り始めました。


三坂さんは最初に「情熱があること」を挙げました。書くためには、強い動機が必要とのこと。
だから授業の冒頭で学生にライトノベルの作家になりたい動機を尋ねたのですね。


「毎日ネタ探しをしましょう。ニュースや事件に興味を持つ。それらを表面的に理解するだけでなく、背景も考えます。アイデアの引き出しを増やすことも大切です。他ジャンルのエンタメに触れ、吸収しましょう。
そして、毎日決まった時間に机に向かい、決まった文字数を書き続けましょう。これらの一つ一つは難しいことではありません。しかし、続けられる人は多くないように思えます。続けることで技術が身に付き、プロになれます」

このように日々の習慣の大切さを訴えました。


「動機をはっきりさせる、源流になっている作品を読む、日本経済を支えているのはコンテンツ産業で、ライトノベルはその一翼を担っている、作家になるための努力をするが本日の授業のまとめです。皆さん、頑張ってください!」



三坂さんの話に励まされ、学生の書く意欲はさらに高まったことでしょう。三坂さん、貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

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