KADOKAWAアニメ・声優アカデミーでは、優れたクリエイターの育成を目的に、さまざまなイベントを提供しています。
2024年9月29日には大人気声優の森久保祥太郎さんを東京校にお迎えし、在校生と入学を検討している中高生を対象にトークショーを開催。
聴き惚れる美声で、声優という仕事について話をしていただきました。
声優になったきっかけから仕事の魅力まで幅広く聞かせてくださいました!
割れんばかりの拍手に迎えられた森久保さん。
「在校生の皆さんは開校1年目の学生だと聞いています。これから続く伝統の始まりに立っている人たちですよね。そう考えるとすごくないですか?」
そう言って早くも会場を盛り上げました。
森久保さんは俳優業からキャリアをスタート。
声優事務所のスタッフの手に渡ったデモテープがきっかけになり、ラジオ、テレビのコマーシャルのナレーションを経て、アニメの声優デビューを果たします。
そのアニメが人気を博し、本格的に声優として活動を始めました。
元々、声優を目指していたわけではなかったので、右も左もわからず、
「毎回恥と冷や汗をかきながらアフレコに臨んでいた」と、当時を振り返ります。
そんなときに支えになったのが、声優の先輩方の存在。
「アフレコの後、先輩方に食事に連れて行ってもらいました。そこで、声優としての仕事についてたくさん質問をし、教えてもらいました。僕がこうして声優として活動できているのは、その先輩たちのおかげです。そのときの恩返しのつもりで、僕も今、後進の育成に力を入れています」
そして、新人時代の反省もあり、声優業界にかかわらず、社会人としてのマナーやルールを守ることが重要だと言います。
森久保さんは今回のトークショーイベントの最中に「自分をスキャンすること」を繰り返し説きました。
「僕は将来的にどのような人間でありたいかを考え、そこから逆算して行動をしています。そのためにはまず、全方向から自分をスキャンし、自分は何が得意で何が苦手か、何が好きで何が嫌いか、何ができて何ができないかを見極める。主観的になってしまう場合は、第三者の客観的な意見をもらうのもいいと思います」
そのように自己分析を行い、将来のために今足りないものを見極め、オリジナルの練習方法をたくさん編み出したと言います。
「ただ時給をもらうためにアルバイトをするのではなく、発声練習のつもりであいさつをしていました。
あとは、初見で文章を読むことが苦手だと気付いたので、視界に入った新聞や雑誌の広告などを教材代わりにし、つっかえないで読むための練習をしていました。
きっと誰にでもチャンスは平等に訪れているはずなんです。でも、それをつかめるかどうかは、その人が普段からどれだけ準備をしているかにかかっています」
口調は明るいものの、何事にも全力で取り組むストイックな姿勢が見受けられました。そして、声優という仕事の魅力を次のように語ります。
「アニメは今や、日本の文化であり財産でもあります。その一端を担えていることにはやりがいがあります。それに、アニメや映画の吹き替えは誰しもが一度は触れますよね。現場で若手から『見ていました』って、自分の出演作を挙げられるとうれしいですね。こんな夢のある仕事はないと思います」
学生からの質問に熱く回答!
――新人声優がするべき経験と、持つべき心構えを教えてください
人生経験は役者の宝です。
若い皆さんにとっては今が、自己投資のために最も時間を割ける期間です。
旅行をする、友人と意見交換をするなど、何でもかまいません。
全てが財産になるので、行動を無駄にしないことが大切です。
声優として食べていくための心構えは、声優になるためにどれだけ時間を割けるかということです。
頑張ると決めた期間は、全ての時間を声優になるために使う。
アニメを見ている人が「一般の視聴者」だとすると、見られている僕たちの仕事は「一般」じゃない。
声優の仕事は「普通」の仕事じゃないんです。
普通ではない夢を叶えるということは半端じゃない覚悟が必要なんですよ。
――迷ったとき、選択肢が複数あるときの判断基準があれば教えてください
開いた扉にはすぐ飛び込むことです。
声優の仕事も、自分が扉を開けたわけではなく、開けてくれる人がいたから、入れました。
扉が開くのは当たり前のことではありません。
あなたが努力をし、何かをした結果、それを評価する人が道を示してくれているんですね。
森久保さんはジョークを交えたトークで会場を沸かしつつ、声優として活動していく上でのヒントをたくさんくださりました。
イベントの最後には参加者に向けて、
「夢を実現する上で、家族や身近な人の応援は力になります。でも、皆さんのご両親の立場から見ると、声優は積極的に勧めたい仕事ではなく、反対するかもしれません。でも、頑張っているところを見せれば、ご両親もきっと応援してくれるはずです。だから、家族を巻き込むくらいのエネルギーを持って頑張ってほしい。皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています」
とエールを送りました。
熱量を感じるトークに刺激を受けた参加者も多かったのではないでしょうか?
皆さんも熱い想いを胸に、夢に向かって頑張ってください!
バンタンもそんな皆さんを応援します!