【『わたしの幸せな結婚』コラボオープンキャンパス】声優・上田麗奈さんによるトークショー開催!キャラクターを“理解する力”の磨き方とは?

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KADOKAWAアニメ・声優アカデミーでは、入学を検討している皆さんに向けてさまざまなイベントを実施しています。

10月19日(日)、アニメ『わたしの幸せな結婚』とのコラボオープンキャンパス期間中に、主人公の斎森美世役を演じる声優の上田麗奈さんをお迎えしたスペシャルトークイベントを開催しました。
同作品は、KADOKAWAが刊行するキャラクター文芸系文庫レーベルの富士見L文庫から書籍化され、KADOKAWA関連会社であるキネマシトラスがアニメーション制作を手掛けています。

上田麗奈さんは、『わたしの幸せな結婚』の他にも、『チェンソーマン』(レゼ役)や『鬼滅の刃』(栗花落カナヲ役)など、数多くのアニメ作品にご出演されている人気声優様です!
会場となった東京校には事前抽選で選ばれた約100名が集まり、さらに東京校での好評を受けて急きょ大阪校・名古屋校への中継配信を追加するなど、当日は大盛況となりました。

「声優の上田麗奈です。よろしくお願いします。緊張しています……!」
KADOKAWAアニメ・声優アカデミーの神原大地講師がインタビュアーとなって進行します。

【1. アニメ『わたしの幸せな結婚』について】

―― まず、『わたしの幸せな結婚』はどのような作品ですか?

上田さん「主人公・斎森美世が『家族の誰も自分のことを愛してくれず、さらには自分のことも愛せない』という苦しい生活を送っているところから物語が始まります。そんな中、名家・久堂家の当主である久堂清霞の婚約者候補になったことをきっかけに、旦那さまと出会い、愛されている、愛してもいいという心情変化があり心がほぐれていきます。その変化のさまを見守り、勇気をもらえたり、楽しんだりすることができる作品だと思います。明治・大正を思わせる架空の時代の物語ですが現代に生きる私たちが共感できる心情が描かれています。」

―― 大正時代というと男女の価値観なども違うと思いますが、上田さんが演じるにあたって心掛けたことは?

上田さん「第一話のアフレコの前に、時代背景について調べました。

当時の結婚は、家同士が決めるというのも普通のことでした。また、どんな風に話しているのか、当時のコミュニケーションの雰囲気を感じ取りました。時代背景を調べていくとおのずと、自分の中に“ベースライン”ができていきます。例えば、着物を着ると背筋が伸びて歩幅が狭くなります。体の窮屈さがある分、声の出し方も変わるのかなと思います」

【2. 声優を目指したきっかけ】

―― ここからはトークテーマに合わせて話をうかがっていきます。声優を目指したキッカケは?

上田さん「中学生の時だと思います。演劇部の同輩の女の子が『声優になりたい』と言っていて、『この子が言うなら間違いない!』と思っていました。高校でも演劇部に所属して、舞台でのお芝居が楽しかったんです。進路選択の授業で、『オーディション』で検索して、いちばん上に出てきたのが現在の事務所の81プロデュースのオーディションでした。オーディションを受けてご縁があり所属となりました。

同輩の女の子、進路選択の授業、検索結果の偶然が重なり今に至ります。実は、81プロデュースという声優事務所についてはよく知らなかったのですが、三木眞一郎さんが所属されていることを知って、ポケットモンスターのコジロウ役を務めた声優さんが所属しているなら間違いないと思い応募しました(笑)」

【3. 初めての声優のお仕事のエピソード】

―― 初めて声優のお仕事をされたときのエピソードを教えてください。

上田さん「第5回81オーディション 特別賞をいただいたときに、作品出演権をいただき『イナズマイレブン』に少年役で出演させていただきました。初めてのお仕事だったので、とにかく挨拶をきちんとすること、自分がやるべきことを誰よりも自信を持って取り組むことを心掛けました」

―― 新人さんですと、NGを連発することもあると思いますが、上田さんのNGシーンは見たことがないですね。(神原講師は以前お仕事で上田さんと共演経験あり)

上田さん「いえいえ、他の現場ですが、リテイクが終わらないということもありますよ。キャラクターの解釈、演出の仕方など、色んなプロの視点から作品を見ているのでそのすり合わせに時間がかかることはあります。『気持ちを露わにしてほしい』というリクエストもあります。私は感情を露わにすることが苦手でしたが、年齢を重ねるうちに自己理解が深まり、少しずつリテイクの数が減ったかなと思います」

【4. お仕事で大変なこと、乗り越え方】

―― お仕事をしていて辛かったことはありますか?また、どうやって乗り越えましたか?

上田さん「周りと比べるのは“あるある”かもしれません。事務所の先輩、同輩、そして後輩も、個性もあり熱量もあって輝かしい人ばかりです。特に駆け出しの頃は『一番にならないと生き残れないのでは』と思っていました。嫉妬をしたこともありましたが、嫉妬をしている自分もイヤでしたし、雑念となってお芝居に出てしまうこともありました。ネットで調べると、『相手の持っている能力を欲しがっているだけ』と知りました。調べていくうちに、大事なのはやっぱり自分を知ることだと思いました」

―― 声優というと輝かしい側面に目がいくかもしれませんが、もちろん大変なこともあります。皆さんも、ぜひ自分を下に見たりしないで、自分の個性を認めてあげてください。

【5. 普段おこなっているルーティン】

―― 上田さんは、普段のお仕事でおこなっているルーティンはありますか。

上田さん「オーディションにできるだけリラックスしてのぞめるように、思い切り練習して、体に馴染ませていきます。練習はいっぱいするのですが、演者さんとの掛け合いで生まれるものも大事にします。本番のときは練習してきたものをあえて捨てる勇気も必要です。あとは、体の使い方。泣いているときはうつむき気味で、怒っているときはお腹に重心がくるといった使い方を、“尺の中” で出来るようにします。突発的にはやりづらいので、日頃から感情に合わせた体の使い方は意識しています!」

【6. 在校生からの質問に答えます!】

―― ここで、本日会場に集まっている在校生からも質問を受け付けたいと思います。 

 

―― 『わたしの幸せな結婚』では、物語が進むにつれて美世が見せる心情の変化が素敵だなと感じました。キャラクターを理解するうえで大切にしていることはありますか? 

上田さん「『排除せずに一緒になっていく』はすごく気にしていたところかもしれません。キャラクターの心情が変化して、これまでとは違う一面が出ても、ちゃんとその人であるということに説得力を持たせるようにしています。美世の場合は、もともと持っていた優しさ、温かさ、心の美しさが徐々に出て息がしやすくなります。美世は、温かい変化でしたが、どんどん息苦しくなるような冷たい変化が起こるキャラクターもあります」 

―― 演技をする際に想像力や集中力を鍛えなければいけないなと思っています。そういった技術をどのように鍛えましたか? 

上田さん「大事だけれど、難しいですよね。体験からくるものがすごく強いと思います。例えば、同じセリフでも『時間帯で変わるかな?』とか、外なのか中なのかを考えてみます。台本を持ってリアルな距離感を想像しながら喋ってみるのは、家でもクイックにできることなのかなと思います。経験することで、想像力の引き出しが増えていくことはきっとあると思います。」 

 

―― 声優になるために取り組んでこられたこと、やっておけば良かったことはありますか。 

上田さん「演劇部で舞台に立った経験は、すごく大きかったです。人前に立つことに慣れることができました。やっておけば良かったことは、運動と、歯の矯正です。体力が大事なのと、歯の矯正は早いうちにやったほうがいいです!中高のときに親からも提案されたのですが、勇気が出ずにやっていませんでした。仕事を始めると、矯正後のさ行の音の出方がわからないので踏み出せないでいます」 

【7. 中継で参加している方々に向けて】

―― KADOKAWAアニメ・声優アカデミーには大阪校、名古屋校にも校舎があります。今回のイベントもリアルタイムで中継し、ご覧いただいています。大阪校、名古屋校の皆さんにもメッセージをお願いします!

上田さん「今の私から見ると羨ましいです。実家から離れるとなると心細さがありますし、私が親だったらすごく心配だろうなと思います。お家に近いところでお芝居の勉強ができるのは安心ですし、経済的にもいいですよね。仕事を始めた当初は、ギャラだけで食べていけないことがほとんどなので、お金を貯めながら不安も少なくお勉強できる環境が羨ましいです」

【8. エンディング】

―― 最後に、アニメ・声優業界を目指す皆さんにメッセージをお願いします!

上田さん「今、吸収できることをいっぱい吸収して、困難も楽しんで乗り越えていってください。今日ご一緒させていただいた神原講師も、言語化能力が高くて、とても素敵な講師だなと思いました!素直についていって間違いないと思いますし、私も授業を受けたいです。ぜひ、のびのびとお芝居を勉強していただけたらなと思います!」

KADOKAWAアニメ・声優アカデミーでは、業界の最前線で活躍するプロフェッショナルから学ぶことができます。

アニメ・声優のお仕事に興味がある人は、オープンキャンパスに足を運び、業界への理解を深め進路選択の参考にしてみてください!

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