24.06.07 24.06.14 更新

ゴールデンウィークセミナー・声優「安元洋貴さんトークショー」

イベント
授業/特別講師/講演会
東京校
声優学部

2025 年 4 月の入学希望者を対象にしたゴールデンウィークセミナー。GW は業界の第一線で活躍する人気声優を招いてのトークショーです。

安元洋貴さんが登壇されると、熱気につつまれた会場内から大きな拍手が!

安元洋貴さんは『鬼灯の冷徹』の鬼灯役、『BLEACH』の茶渡泰虎役、『デキる猫は今日も憂鬱』の諭吉役など、さまざまな作品に出演され、第一線で活躍されています。そんな安元さんに、声優のお仕事や業界についてお話していただける貴重な機会です。

そんな紹介を受け、「大した話はしないよ!」と繰り返して言う安元さん。
緊張しながら必死にメモを取る体制の参加者に向けて、緊張をほぐすように、心遣いを感じるお言葉とともにスタートいたしました。

――声優を目指したきっかけを教えてください

「最初、声優を知らなかったんです。かつて舞台に出演していたとても素敵だと思っていた先輩がアルバイトに行くのを見て、
俺みたいな名もなき舞台俳優はキャリアがあっても十分な収入を得にくい仕事なのかな?
と感じていました。」


「俺はその頃に文化放送でアルバイトをしていたのですが、そこにいらしたフリーのアナウンサーの方が「安元くんは声が低いから、(声の仕事が)向いているんじゃない?」と声をかけてくださり、養成所の資料を取り寄せてくれたことがきっかけでした」

――家族の反対はなかったのですか?

「大学まで行って声優になることを家族は反対していました。だけど、最後は「頑張れよ」って言ってくれました」

目指すにあたり、安元さんが覚悟を決めたこととは…。

「お金を貯めて 23 歳のときに養成所に入り、26 歳でレギュラーが取れなければ辞める、と決めていました。養成所では誰よりも滑舌を良くすることと、誰よりも大きな声を出すことを考えていました。どんなに芝居が下手くそでも、声量をちゃんとしようと…。今でもその貯金でやっていけていると思います」



――役作りで意識していることはありますか?

「『芝居』を自分の尺度で語る方、決めつけちゃう方がいますが、それが万人に共通するか、と思ったら違うと思うんです。みんなそれぞれ自分のものがある」

役作りに対しては、人それぞれだと話す安元さん。

「今思うと、昔は経験不足で、家で練習しすぎて、練習したものしかできないようになっていました。いくつものパターンを用意しておく必要はないけれども、都度対応できる能力が必要。日常の中でもあれは面白いな、引き出しに入れておこう、と常々考えておくと良いと思います」



――アンテナを張っておいた方が良いのですか?

「色々知るのは大切です。漫画でもいいですよ。新聞テレビ漫画ゲーム。全部意味はあります。見出せます。」



――現場で新人さんが注意すべきことは?

「まずはしっかり挨拶。良いタイミングで挨拶すること。あとは、清潔感がある格好はした方がいいですよね。そして明らかに主役が座るセンターに座ることは避けるとか」



――これから声優を目指す人に向けて心構えがあれば、教えてください

「まずは諦めないことと努力すること。とても無責任な言葉ですが。
皆んなが皆んな声優にはなれません。なれてもご飯が食える保証もないです。
でも、諦めた人、努力しなかった人が真っ先にいなくなります。運がどこで来るかわからないので、努力し続けることは当たり前ですね。それでもうまく行く保証は無いです。厳しいですが。」



また「オーディション落ちたとか、最後の最後で負けたとか、それは受け入れるしかない。明日は明日の仕事が待っているし、自分を味方につけてやっていく」と続けます。

――声優業界ではどんな人が生き残る?

「いい人しかいません。優しい人しか残っていません。優しい人としか仕事したくないじゃないですか。皆んな(笑)。だから基本的にはみんな優しいです。なので優しい人になってください」


と安元さんがいうと、会場からは声をそろえて「はい!」という返事。

――これから業界を目指す方に激励のメッセージを

「どこに行って何をするかはすごく大事で、どこを選ぶか、しっかり考えてアクションしてください。」


「ここは”KADOKAWA”と書いてあるからなんかすごそうですけど(笑)。
でも学校に入っておしまいではないですし、学生の延長として遊んじゃう人もいるんですよ」


「楽しいと思いながらも、こいつらを出し抜かなきゃ、この中で一番になれなきゃ絶対に仕事はできない。そのくらいの覚悟で、この道に進もうと思ったらやりきってください。」とのメッセージ。


講演中にもメモを取る学生たちを見て、「今日はメモ取るような話ししたっけ?」とはいうものの、紡がれた言葉から安元さんの人柄や参加者を思う温かみを感じ、全員が勇気と希望を持つことができたのではないかと思います。


本当に貴重な時間をいただき、誠にありがとうございました。

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